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引き伸ばし機のLED化 (2)
LED化するにあたり、知らなくてもええし、知っててもええプリントが出来る訳でも無いですが、まあ知っていて損は無い話です。
暗室で赤い電球を付けて印画紙が何故感光しないかはご存知の通り?印画紙の感光する波長は320nm-530nm付近なので、赤い色の波長700nm付近の光は影響を受けない訳です。
フィルムだと650nm位まであったけ、それ以上だと赤外線ですね。
なのでリソフィルムも赤いライトの下で現像が出来ます、以前にやった事あるけど不思議な感じですよ。

さて本題から更に逸れて号数フィルターって普通にオレンジだと思って使ってますけど実は少し違うんですよ。 フィルターの役目は、印画紙の波長のある部分をカットする事が役割で、青部分をカットすれば軟調になり、緑部分をカットすればハイコントラスト。
それをするには、カットするフィルターが必要な訳でして・・補色って言う言葉を聞いた事があると思いますが、
反対色って言えば簡単なのか、青の補色は黄色でして、黄色は青の波長を打ち消します。 
なので撮影時にコントラストを下げる為に黄色フィルターを使いますが、これはフィルムの青部分をカットする為ですね。オレンジや赤を使うのはその逆って事です。
印画紙の場合ですと、黄色とマゼンダが補色になります。
実は理屈的に号数を変化させるにはカラーフィルターで調整するの方が理に適っているかもしれません。
ただカラーフィルターを付ける場合にはフィルター毎に係数を合わせて何%か露光量を増やしてあげる必要があります、この計算が面倒なので一般的に売られている号数フィルターは1~4号まで同じ時間でほぼ焼ける様に黄色とマゼンダを合わせて濃度を合わせている訳です。  
以前にILFORDとフジのフィルターで調子が変わり困惑した事があります、厳密にコントラストを管理したい場合には、この黄色かマゼンダのカラーフィルターで調整した方余分な色の影響を受けないです。
事実、印画紙のデータシートを見ると、Yellow CC20で1号相当とか、Magenda M20で3号とか記載されています、まあほとんど捨ててるかもしれませんけどw

いよいよ本題ですけど引き伸ばし機の電球ってオレンジですよね?
偉大なアンセルアダムズは蛍光灯を使用したコールドヘッドを使用していて、ベセラーなど舶来の高価な引き伸ばし機に憧れた物です。 この白色蛍光灯を好んで使用していた理由としては、白色の配光分布と印画紙の波長が実に似ているのです。 
引き伸ばし機の暖かい色の電球は青~赤まで広範囲に渡っており、その分熱も放出する訳です。
しかし蛍光灯は波長が決まっているので多くの熱を放出しない。
でも蛍光灯の場合は最大出力までにバラツキがあり、素人が作って使うには困難だった訳です。 
で、で、です、この昔憧れた高価なシステムを買わずとも(もう売っていないが)、白色LEDを購入すれば簡単にコールドヘッドです、電球一個¥5000-を買えるだけでコールドヘッドの完成?です。
う~ん引き伸ばし機は、新たな時代に突入したのです、革命だ。
急いで買いに走りましょう。

最後に大事な事ですが、だからと言って良いプリントが出来る訳でも無く、良い写真が撮れる訳でも無いですので注意。 
そして引き伸ばし機に問題が起こっても、一切当方は関知しません(あしからず)。


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by tosha_gogo | 2012-09-05 11:05 | Darkroom-暗室-
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